『ダンダダン』シャコ星人はなぜ人気?「変な宇宙人」が気づけば推しになる理由を本気で考察

最初にシャコ星人を見たとき、私は正直こう思いました。

「……なんだ、この宇宙人?」

つぶらな瞳。妙に筋肉質な身体。「でいス」という独特の語尾。そして、シャコを思わせる強烈なビジュアル。

『ダンダダン』には、ターボババアやセルポ星人、邪視など、初見では「このキャラを好きになる日が来るのか?」と思わせる存在がいくらでも出てきます。

シャコ星人も、最初から「かっこいい人気キャラ」として登場したわけではありません。

ところが、読み進めていくと印象が変わってくる。

変な宇宙人なのに、妙に信用できる。

そして、気がつくと、「この人、結構好きだな」となっている。

この感覚こそ、シャコ星人の人気を考えるうえで重要なのではないかと思っています。

実際、公式の第1回『ダンダダン』キャラクター人気投票では、シャコ星人は第11位・7,648票を獲得しています。

しかも公式は、その人気について「戦闘民族としての強さ」だけではなく、「家族想いで人情にあつい性格」も評価されたと分析しています。さらに大人キャラクター全体についても、「子供たちを見守り支える大人としての姿」に魅力を感じた読者が多かったとしています。

ここが面白い。

シャコ星人は、単純に「強いから人気」なのではない。

むしろ私は、読者がキャラクターを評価する基準そのものを、物語の中で少しずつ変えてしまうキャラクターだから人気なのではないかと考えています。

この記事では、シャコ星人の正体や能力を網羅的に解説するのではなく、「なぜ、この変な宇宙人を好きになってしまうのか」という一点に絞って考えてみます。

シャコ星人=ドーバーデーモン。まずは「どんなキャラクターなのか」

シャコ星人の正式名称はドーバーデーモン。

TVアニメ公式サイトでは、通称を「シャコ星人」とし、「シャコのように強力なパンチ」と「つぶらな瞳」が特徴のキャラクターとして紹介されています。

さらに語尾に「でいス」をつける独特の話し方も、シャコ星人を一度見たら忘れにくい存在にしています。

そして、もう一つ絶対に外せないのが息子のチキチータです。

チキチータはドーバーデーモンの息子で、現在は父親とともに地球で暮らしています。公式設定でも、シャコ星人とチキチータは明確に「親子」として描かれています。

少年ジャンプ+の5周年特設サイトでは、シャコ星人を、「危険な仕事で外貨を稼ぐ 息子想いの宇宙人」と紹介しています。

一方、チキチータは、「地球生活を満喫する シャコ星人の愛息」という紹介です。

この「息子想い」という部分が、シャコ星人を考えるうえではかなり重要だと思います。

なぜなら、ここからシャコ星人の「見た目」と「中身」のズレが一気に大きくなるからです。

なぜシャコ星人は人気なのか?私は「評価がひっくり返るキャラ」だからだと思う

シャコ星人の面白さを一言で表すなら、

「最初に抱いた印象を、あとから自分で裏切ってくるキャラクター」

だと思います。

初見では怖い。

宇宙人だから何を考えているのか分からない。

しかも身体つきが異様に強そう。

ところが、物語を追っていると、そこに「父親」という顔が見えてくる。

さらに戦闘では頼りになる。

しかも、ただ強いだけではなく、人情味まである。

この順番が大事なんですよね。

最初から、「実は優しいお父さんです」と紹介されていたら、ここまで印象には残らなかったと思います。

怖そう → 変な奴 → 面白い → 意外といい奴 → 頼れる → なんか好き

という感情の変化を、読者自身に経験させる。

シャコ星人の人気は、ここにあるのではないでしょうか。

「ギャップがある」だけでは説明しきれない

シャコ星人について語るとき、「ギャップが魅力」と説明することはできます。

たしかに、その通りです。

でも、それだけだと少し足りない。

『ダンダダン』にはギャップのあるキャラクターがたくさんいます。

たとえば公式人気投票でも、アイラは「腹黒」と「怪異を悼む優しさ」のギャップ、ジジは「お調子者」に見えて努力家で仲間思いというギャップが評価されています。

つまり、ギャップそのものがシャコ星人だけの武器ではありません。

では、何が違うのか。

私は、シャコ星人の場合、「見た目とのギャップ」だけでなく、「読者がこのキャラクターを見る視点そのもの」が変わっていくところが大きいと思っています。

「怖い宇宙人を見る」のではなく、「息子を守ろうとする父親を見る」。

この変化が起こった瞬間、同じキャラクターなのに見え方がまるで違ってくる。

ここがシャコ星人の強さです。

シャコ星人の人気を決定づける「父親」という顔

シャコ星人を好きになった人にとって、チキチータの存在はかなり大きいのではないでしょうか。

少なくとも私はそうでした。

シャコ星人単体だけを見ると、かなりクセの強いキャラクターです。

ところが、チキチータと並んだ瞬間、「あ、この人は父親なんだ」という情報が入ってくる。

これが大きい。

キャラクターの輪郭が急に人間的になるんです。

公式人気投票でも、シャコ星人について「家族想いで人情にあつい性格」が評価されたと明記されています。

つまり、この「父親としてのシャコ星人」は、単なる私の印象だけではありません。

公式の人気分析でも、人気を支える要素として取り上げられている部分です。

チキチータがいることで、シャコ星人は「怖い宇宙人」では終わらない

ここはかなり重要だと思います。

もしシャコ星人にチキチータがいなかったら、彼のキャラクター性はもっと単純だったかもしれません。

「強い宇宙人」

「変な語尾のキャラクター」

「戦闘で活躍するキャラクター」

それでも十分面白い。

でも、そこに息子が加わることで、「この人にも、この人なりの日常がある」ということが見えてきます。

『ダンダダン』の世界では、怪異も宇宙人も、ただ倒すためだけの存在ではありません。

それぞれに事情がある。

それぞれに生活がある。

それぞれに守りたいものがある。

シャコ星人の場合、それが特に分かりやすく「息子」という形で見える。

だから読者は、シャコ星人を「敵か味方か」という二択だけでは見なくなっていくのだと思います。

「強いから好き」ではなく「強さの使い方」が好きになる

シャコ星人の戦闘力も、もちろん人気の理由です。

TVアニメ公式サイトでも、シャコ星人は「シャコのように強力なパンチ」が特徴とされています。

ただ、ここでも私は、「シャコ星人は強いから人気」だけで終わらせたくありません。

むしろ気になるのは、その強さを誰のために使うのかという部分です。

『ダンダダン』では、強いキャラクターが珍しくありません。

主人公たちもどんどん強くなる。

怪異にも、とんでもない力を持つ存在がいる。

だから「強い」という一点だけでは、シャコ星人を特別扱いする理由にはならない。

それでもシャコ星人の戦闘シーンが印象に残るのは、

「この人が戦うとき、ただ勝つためだけに戦っているようには見えない」

からではないでしょうか。

ここに「父親」という設定が効いてくる。

強さそのものより、「この人が本気を出す理由」に説得力が生まれるんです。

「シャコの計算」が面白いのは、強さを見せるだけではないから

シャコ星人について考えるなら、私は「シャコの計算」というエピソードも外せないと思っています。

5周年企画で行われた『ダンダダン』エピソード投票では、このエピソードがバトル部門10位に入りました。

公式側も「戦闘民族・シャコ星人が真価を発揮するエピソード」として扱っています。

ここからも、シャコ星人の戦闘面が読者にしっかり届いていることは分かります。

ただ、私が面白いと思うのは「強い!」という結果そのものではありません。

シャコ星人の場合、「普段の妙なキャラクター」と「戦闘時の頼もしさ」の落差が一気に出てくる。

普段は「でいス」と言っている。

見た目もかなり独特。

それなのに、戦闘になると「あ、この人に任せて大丈夫だ」と思わせる。

この切り替わりが、シャコ星人を単なるコミックリリーフで終わらせない理由だと思います。

しかも、シャコ星人は「かっこつけない」

ここが私の一番好きなところです。

シャコ星人って、基本的に「俺はカッコいいだろ?」という顔をしていないんですよね。

むしろ、かなり変です。

語尾も変。

見た目も変。

存在そのものが変。

でも、そういうキャラクターがいざ必要な場面で頼りになる。

だから、読者の側が勝手に、「……あれ? この人、かっこよくない?」と思ってしまう。

これって、かなり強いキャラクター造形だと思います。

「かっこいいキャラクター」として描かれた人を見て、「かっこいい」と思うのは普通です。

でも、

「別にかっこいいキャラとして見ていなかったのに、気づいたらかっこよく見えている」

という体験は、少し違う。

シャコ星人は、そのタイプなんです。

「変な宇宙人」から「頼れる大人」へ

ここで、公式人気投票の結果が面白くなってきます。

シャコ星人は第11位。

そして公式は、シャコ星人だけでなく、複数の大人キャラクターが上位に入ったことについて、「子供たちを見守り支える大人としての姿」に読者が魅力を感じたと分析しています。

私はここに、『ダンダダン』のキャラクター人気の面白さが出ていると思います。

普通の少年漫画なら、人気投票で目立つのは主人公やライバル、若い戦闘キャラクターになりやすい。

もちろん『ダンダダン』でも、オカルン、モモ、ターボババア、ジジなどが上位に入っています。

その中でシャコ星人のような「大人」が食い込んでくる。

これは単純に「強い大人だから」という話ではないでしょう。

子供たちだけでは成立しない世界を支えている大人だからこそ、読者から見ても魅力的なのではないか。

私はそう考えています。

『ダンダダン』の大人は「子供の物語」を邪魔しない

シャコ星人を見ていて感じるのは、大人なのに、主人公たちの物語を奪わないということです。

これが結構重要だと思っています。

少年漫画における強い大人キャラクターは、扱いが難しい。

強すぎると主人公が霞む。

何でも解決してしまうと、物語が動かなくなる。

でも、頼りになる存在としてそこにいると、世界に厚みが出る。

シャコ星人は、その「大人としての存在感」が魅力になっている。

だから私は、シャコ星人の人気を「ギャップ萌え」だけで説明するのはもったいないと思っています。

むしろ、「子供たちだけではない世界を感じさせてくれるキャラクター」という側面がある。

そこが、他の人気キャラクターとは少し違うところではないでしょうか。

「安心感」がシャコ星人の隠れた魅力なのではないか

ここからは、完全に私の考察です。

私はシャコ星人の人気には、安心感も関係していると思っています。

『ダンダダン』は、何が起こるか分からない作品です。

怪異が出てくる。

宇宙人も出てくる。

戦闘になる。

ギャグになる。

次のページで何が起こるのか分からない。

そんな作品だからこそ、「この人が出てくると、なんとなく大丈夫な気がする」というキャラクターは強い。

シャコ星人には、それがあると思うんです。

もちろん、何でも解決できる無敵キャラクターという意味ではありません。

そうではなく、「この人は、自分の役割を投げ出さないだろう」という信頼感です。

息子を大切にする。

必要なときには戦う。

大人として子供たちと関わる。

この積み重ねが、「変な宇宙人」という第一印象を「頼れる存在」へ変えていく。

私はここが、シャコ星人の人気を考えるうえでかなり重要だと思っています。

シャコ星人が「推し」になりやすい理由は、感情の変化を体験できるから

キャラクターの人気には、いろいろな種類があります。

最初から好きになるキャラクターもいる。

見た目が好きなキャラクターもいる。

強さに惚れるキャラクターもいる。

でもシャコ星人は、「好きになっていく過程そのもの」が楽しいキャラクターなのではないでしょうか。

最初は、「なんだこいつ」だった。

それが、

「なんか面白いな」

になり、

「意外といい奴じゃん」

になり、

「息子のこと大事にしてるんだな」

になり、

「戦うとめちゃくちゃ頼れるじゃん」

になって、

最終的には、

「シャコ星人、好きだわ」

になる。

この感情の変化を読者自身に経験させる。

だから、単純なキャラクター紹介ではシャコ星人の魅力を伝えきれないんです。

だから「人気の理由」を一言で言うなら、「かっこいい」ではない

ここまで考えて、私はシャコ星人を、「かっこいいキャラクター」とだけ表現するのは少し違うと思っています。

むしろ、「かっこよく見えてしまうキャラクター」なんです。

最初から格好良く演出されているわけではない。

つぶらな瞳。

独特の語尾。

シャコのような身体。

息子を連れて地球で暮らしている宇宙人。

それなのに、物語を読んでいるうちに、

「この人、頼れるな」

「この人、いい父親だな」

「ここは格好いいな」

と、読者側の評価が変わっていく。

この「読者側の変化」が、シャコ星人の最大の魅力なのではないでしょうか。

チキチータも人気だからこそ、シャコ星人の魅力がさらに深くなる

もう一つ面白いのが、チキチータ自身も人気投票で第13位・3,234票に入っていることです。

公式はチキチータについて、「可愛く、どこか男気が漂う子供宇宙人」と評価しています。

つまり、シャコ星人とチキチータは、単に「親子」という設定だけではありません。

二人それぞれにキャラクターとしての魅力がある。

だから親子で並んだとき、シャコ星人の「父親らしさ」がさらに見えやすくなる。

一人だけでは分からなかった部分が、親子関係によって浮かび上がってくるんです。

これはキャラクター造形としてかなり巧いと思います。

シャコ星人は「強い宇宙人」ではなく、「生活している宇宙人」だから面白い

私が最終的にシャコ星人について一番好きなのは、ここかもしれません。

彼は「宇宙から来た強敵」という記号だけで終わっていない。

息子がいる。

仕事がある。

地球で暮らしている。

周囲の人間とも関係を作っていく。

つまり、ちゃんと生活している。

これが『ダンダダン』という作品において、かなり大きいと思います。

宇宙人なのに生活感がある。

見た目はとんでもないのに、父親としての顔がある。

強いのに、威張っているわけではない。

変なのに、信用できる。

この矛盾が同時に存在しているから、シャコ星人は記憶に残る。

私がシャコ星人を「好きになってしまう」と感じる理由

最後に、かなり個人的な話をします。

私はシャコ星人を見ていて、「このキャラが好き!」と一瞬で落ちるタイプではありませんでした。

むしろ逆です。

最初は、「なんだ、このキャラ(笑)」という感じでした。

でも、こういうキャラクターが一番危ない。

少しずつ印象を変えてくるからです。

気づいたら、「この人が出てくると嬉しい」になっている。

そして、戦闘で頼れる姿を見ると、「やっぱり格好いいじゃん」と思ってしまう。

さらにチキチータとの関係を見ると、「この親子、いいな」となる。

つまり、シャコ星人は読者に「好きになれ」と迫ってこない。

読者が勝手に好きになってしまう。

私は、この距離感がシャコ星人というキャラクターの一番好きなところです。

まとめ シャコ星人は「変なのに、信頼できる」から人気になる

『ダンダダン』のシャコ星人が人気なのは、単純に「強いから」でも「面白いから」でもないと思います。

もちろん、戦闘力は魅力です。

独特のビジュアルも記憶に残る。

「でいス」という語尾もクセになる。

でも、それだけでは公式人気投票で第11位・7,648票という結果にはつながりにくいでしょう。

公式も、シャコ星人について「戦闘民族としての強さ」に加えて、家族想いで人情にあつい性格を評価ポイントとして挙げています。さらに大人キャラクターが上位に入った背景として、子供たちを見守り支える姿を挙げています。

そこから考えると、シャコ星人の魅力は、

  • 最初は「変な宇宙人」に見える
  • ところが息子・チキチータとの関係から父親としての顔が見えてくる
  • 必要な場面では頼れる強さを見せる
  • かっこつけていないのに、結果的にかっこよく見える
  • 子供たちを支える「大人」としての存在感がある
  • そして何より、読者自身の評価が物語の中で変わっていく

というところにあるのだと思います。

だから私は、シャコ星人を、

「かっこいいキャラクター」ではなく、「読んでいるうちに、かっこいいと思わされてしまうキャラクター」

だと考えています。

最初は「なんだ、この宇宙人?」。

それがいつの間にか、「シャコ星人、結構好きだな」に変わっている。

この感情の変化こそ、『ダンダダン』のシャコ星人が持っている、妙に強い魅力なのではないでしょうか。

そして、そんなシャコ星人を見ていると、キャラクターの「人気」って、必ずしも最初から好かれることではないのだと思わされます。

読者の中に、そのキャラクターを見るための新しい視点を作れること。

シャコ星人は、それができるキャラクターなんです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました