「『日本三國』って、いつの時代の話なんだろう?」
読み始めたとき、私はまずそこが気になりました。
舞台は、私たちが知っている日本のはるか先。
ところが、そこで描かれているのは未来都市ではありません。
文明は崩壊し、日本は再び戦国時代へ。
そして物語が始まる頃には、大和・武凰・聖夷という三国が日本の覇権を争っています。
では、私たちが知っている日本から、三角青輝たちが生きる世界までに何が起こったのでしょうか。
この記事では、『日本三國』の時系列を、現在確認できる公式情報をもとに整理します。
さらに、人物の生まれ年を大和暦で並べてみることで見えてくる世代差や、時系列を追ったからこそ気になった「文明崩壊後に何が残ったのか」についても考えてみます。
※この記事には原作のネタバレがあります。
『日本三國』の時系列を先に整理
まずは、細かな人物の年代を見る前に、世界の大きな流れを押さえておきましょう。
『日本三國』の舞台は、私たちが暮らす日本の延長線上にあります。
そこから、
令和末期の日本
↓
核大戦・天災・悪政などによる混乱
↓
革命
↓
文明崩壊
↓
日本が再び戦国時代へ
↓
大和・武凰・聖夷が覇権を争う時代へ
↓
大和暦の時代
↓
大和暦41年、三角青輝が誕生
↓
大和暦56年、青輝の物語が始まる
という流れになります。
小学館の作品紹介でも、核大戦・天災・悪政などを背景に革命が起こり、文明が崩壊。その後、日本が再び戦国時代となり、三国が覇権を争う世界が描かれているとされています。
ここで大事なのは、文明崩壊の直後から、いきなり現在の三国時代になったわけではないということです。
その間には「戦国時代」があります。
つまり、青輝たちが生きているのは文明崩壊直後の日本ではありません。
すでに長い時間をかけて、文明崩壊後の社会が作られた時代なのです。
令和末期の日本から、なぜ『日本三國』の世界になったのか
『日本三國』の面白いところは、最初から異世界だったわけではないことです。
遠い過去には、私たちが知っている日本があります。
そこから核大戦、天災、悪政などによる混乱が起こり、革命へとつながっていきます。
そして、文明が崩壊する。
公式の作品紹介で大きな流れは示されていますが、文明崩壊までの細かな出来事がすべて年表として公開されているわけではありません。
そのため、
「○年に○○が起きた」
「文明崩壊から○年後に△△が成立した」
といった細部まで、推測で埋めるのは避けます。
ここでは、
令和末期の日本
→ 革命
→ 文明崩壊
というところまでを、まず押さえておけば十分です。
私がこの作品で面白いと思うのは、ここからです。
一度、社会そのものが壊れてしまったあと、人々は何を残し、何を捨て、どんな日本を作り直したのでしょうか。
文明崩壊後、日本は再び戦国時代へ
文明が崩壊したあと、日本は一つの国家としてすぐに復興したわけではありません。
公式には、文明崩壊後の日本は「再び戦国時代と化した」とされています。
つまり、かつての日本を支えていた社会の仕組みが崩れ、その後、さまざまな勢力が争う時代へ入ったわけです。
ここから現在の『日本三國』へつながる歴史が始まります。
ただ、ここにはまだ大きな空白があります。
文明崩壊から戦国時代へ。
そして戦国時代から三国時代へ。
その間に、
- どんな勢力が生まれたのか
- どのような戦いがあったのか
- なぜ大和・武凰・聖夷という三国になったのか
までは、すべてが明らかになっているわけではありません。
私は、この「描かれていない歴史」を無理に想像で埋めないようにしています。
分からないからこそ、これから原作で明らかになる可能性を残しておきたいからです。
大和・武凰・聖夷の三国時代へ
そして物語の舞台となるのが、大和・武凰・聖夷の三国です。
ここで少し不思議なのが、青輝たちにとっては「日本が三国に分かれていること」が当たり前だということ。
私たち読者からすれば、
「なぜ日本が三つに分かれているの?」
という疑問が最初に浮かびます。
しかし、青輝たちは生まれたときから、この三国時代の日本しか知りません。
だからこそ、青輝の「日本再統一」という目的が気になります。
青輝にとって、日本を一つにすることは、今ある社会を壊して別の形に作り直すことでもあります。
しかも青輝自身は、かつて日本が一つだった時代を直接知っているわけではありません。
この事実を知ってから読むと、「日本再統一」という言葉が少し重く感じられます。
大和暦で見る『日本三國』の人物たち
『日本三國』では、人物の生まれ年などが「大和暦」で示されています。
主要人物の年代を並べると、世代の違いがかなり見えてきます。
| 人物 | 生まれ年 | 青輝との差 |
|---|---|---|
| 平殿器 | 大和暦5年 | 36歳上 |
| 龍門光英 | 大和暦8年 | 33歳上 |
| 賀来泰明 | 大和暦27年 | 14歳上 |
| 藤3世 | 大和暦33年 | 8歳上 |
| 阿佐馬芳経 | 大和暦39年 | 2歳上 |
| 東町小紀 | 大和暦40年 | 1歳上 |
| 三角青輝 | 大和暦41年 | ― |
三角青輝は大和暦41年生まれ。
阿佐馬芳経は大和暦39年生まれです。
この数字だけを見ると、二人はわずか2歳差。
一方で、平殿器と青輝は36歳差あります。
同じ「大和」に関わる人物でも、見てきた時代はまったく違います。
そして、この年代差を意識すると、人物同士の関係が少し違って見えてきます。
大和暦41年、三角青輝が生まれる
三角青輝は大和暦41年生まれ。
公式プロフィールでは、愛媛郡出身で、旧文明の知識に長けた人物として紹介されています。
そして、妻との誓いを果たすため「日本再統一」を志す人物です。
ここで私が気になるのが、
青輝は「一つだった日本」を、自分の記憶として知っていない
ということです。
青輝が生まれた時点で、すでに日本は三国に分かれています。
それでも青輝は、日本再統一を目指す。
つまり青輝が取り戻そうとしている「日本」は、彼が実際に暮らした過去ではありません。
旧文明についての知識などを通して知った、過去の日本です。
そう考えると、青輝の目的を単純な天下統一として見るだけでは少し物足りない気がします。
大和暦56年、15歳の青輝から物語が始まる
そして大和暦56年。
青輝は15歳です。
ここから『日本三國』の物語が始まります。
大和暦41年に生まれた青輝が、15年後の大和暦56年に日本再統一を目指す物語の中心へ入っていく。
この時間軸を知っておくと、作品の世界観がかなり整理しやすくなります。
そして面白いのは、青輝がまだ若いにもかかわらず、旧文明の知識を武器にしていることです。
私はここから、もう一つ気になることが出てきました。
文明が崩壊したのに、なぜ古い知恵が残っている?
『日本三國』を読んでいて印象に残るのが、知略戦の中で登場する古い格言や故事です。
老子や孫子など、現代の私たちにも知られている古い知恵が、人物たちの思考や会話に登場します。
もちろん、知略戦の場面でこうした言葉が出てくると、単純にカッコいい。
でも、時系列を整理してから考えると、私は別のところが気になりました。
「この荒廃した世界で、彼らはどうやってこの知恵に辿り着いたんだろう?」
文明は一度崩壊しています。
だったら、建物や機械だけでなく、書物や教育、知識を伝える仕組みも失われていて不思議ではありません。
それなのに、古い知恵の一部は残っている。
誰かが本を守ったのか。
知識を伝える教育が残っていたのか。
あるいは、文明崩壊後も知識を受け継ぐ人たちがいたのか。
ここは、現時点では私の想像です。
原作が「こうやって伝わった」と明言しているわけではありません。
だからこそ、私はこの部分が気になります。
格言が登場するたびに、
「この一言がここまで残ってきた背景には、どんな歴史があったんだろう?」
と考えてしまう。
そうすると、知略戦のアクセントだった言葉が、文明崩壊後の世界そのものを考える手掛かりにも見えてきます。
阿佐馬芳経と青輝は、たった2歳しか違わない
そして、この「知識」という視点で見ると、阿佐馬芳経も気になります。
阿佐馬は大和暦39年生まれ。
青輝より2歳年上です。
公式プロフィールでは、名家・阿佐馬家の宗家の嫡子で、武術に優れた自信家として紹介されています。
一方の青輝は、旧文明の知識に長けています。
二人はほぼ同世代なのに、得意とするものが違う。
ここが面白い。
青輝の底知れない知性や発想に触れたとき、阿佐馬は表向きこそ飄々としていても、内側では強い劣等感や焦燥を抱えているように見えます。
私は、この「2歳差」を知ってから阿佐馬を見る目が少し変わりました。
もし青輝が何十歳も年下なら、
「自分とは違う世代の天才だから」
と割り切ることもできるかもしれません。
でも、実際には2歳しか違わない。
同じ時代に生まれ、同じ三国時代を生きている。
それなのに、自分にはない発想を青輝が見せてくる。
そう考えると、阿佐馬の飄々とした態度の裏側にある焦りが、かなり人間臭く感じられます。
「同じ時代に生まれたのに、なぜ自分には見えないものが青輝には見えるのか」
私は、そんな感情まで想像してしまいます。
もちろん、ここも原作が阿佐馬の内面をこのように説明しているわけではありません。
あくまで、人物の年齢と作中の描写を重ねて読んだ私自身の考察です。
「何が失われ、何が残ったのか」を考えると世界観が変わる
ここまで時系列を追ってみると、私が一番気になるのは「文明が崩壊した」という事実そのものではありません。
むしろ、文明が崩壊したあと、何が残ったのかです。
古い知識が残っている。
旧文明の知識を持つ青輝がいる。
かつての日本を思わせる「日本」という名前も残っている。
一方で、日本という国家そのものは三つに分かれている。
つまり、この世界は「過去がすべて消えた世界」ではない。
失われたものと、受け継がれたものが混ざってできた世界
なのではないか。
私はそんなふうに考えています。
だからこそ、青輝の「日本再統一」という目的も気になります。
三国を一つにするだけなのか。
それとも、文明崩壊によって分断された「日本」というものを、もう一度つなぎ直そうとしているのか。
ここはまだ原作で答えが出ているわけではありません。
ただ、時系列を整理すると自然に出てくる疑問です。
物語が始まってからも、日本の勢力図は変わっていく
大和暦56年に青輝の物語が始まっても、三国の状態が固定されているわけではありません。
5巻では、聖夷が国号を「奥和」と改められ、平殿器による武力統一が迫る展開が描かれます。小学館の5巻紹介でも、この流れが確認できます。
さらに6巻では「武凰攻め」が始まり、天満王・平殿器による日本統一を見据えた戦いへ進みます。
つまり、時系列を追っていくと、
三国が存在する
↓
三国の勢力図が動き始める
↓
奥和への改称
↓
平殿器による日本統一への動き
↓
武凰攻め
というように、物語開始後も日本そのものが大きく変化していることが分かります。
「三国時代」という言葉だけを見ると、三つの国がずっと同じ状態で存在しているようにも感じます。
でも実際には、その三国そのものが変化の途中にある。
この視点で読むと、青輝が目指す「日本再統一」が、より切迫したものに感じられます。
『日本三國』の時系列・年表
最後に、ここまでの流れを年表にまとめます。
| 時代・年 | 出来事 |
|---|---|
| 令和末期 | 核大戦・天災・悪政などによる混乱 |
| その後 | 革命が起こる |
| その後 | 文明が崩壊 |
| 文明崩壊後 | 日本が再び戦国時代へ |
| その後 | 大和・武凰・聖夷が覇権を争う時代へ |
| 大和暦5年 | 平殿器が生まれる |
| 大和暦8年 | 龍門光英が生まれる |
| 大和暦27年 | 賀来泰明が生まれる |
| 大和暦33年 | 藤3世が生まれる |
| 大和暦39年 | 阿佐馬芳経が生まれる |
| 大和暦40年 | 東町小紀が生まれる |
| 大和暦41年 | 三角青輝が生まれる |
| 大和暦56年 | 15歳の青輝から物語が始まる |
| 5巻 | 聖夷が奥和へ改められ、平殿器による武力統一が迫る |
| 6巻 | 武凰攻めが始まる |
※文明崩壊から三国成立までの細かな年代や経緯については、現在確認できる公式情報だけではすべて明らかになっていません。そのため、この記事では推測で年代を補完していません。
まとめ|『日本三國』の時系列を知ると、青輝の「日本再統一」が違って見える
『日本三國』の時系列を大きく整理すると、
令和末期の日本
↓
革命・文明崩壊
↓
戦国時代
↓
大和・武凰・聖夷の三国時代
↓
大和暦の時代
↓
大和暦41年、青輝が誕生
↓
大和暦56年、青輝の物語が始まる
という流れです。
ただ、私が時系列を整理していて一番気になったのは、年表そのものではありません。
文明が崩壊したあと、何が失われ、何が残ったのか。
ここです。
古い知恵が残っている。
旧文明の知識を持つ青輝がいる。
三国に分かれた日本で生まれた青輝が、「日本再統一」を目指している。
そして、青輝とたった2歳しか違わない阿佐馬が、その知性や発想に触れる。
こうして並べてみると、『日本三國』は単に三つの国が争う物語ではなく、
「一度壊れた日本で、人間は何を残し、何を受け継ぎ、どんな未来を作るのか」
という物語にも見えてきます。
文明崩壊から三国時代までに、本当は何があったのか。
古い知識は、誰から誰へ受け継がれたのか。
そして青輝が目指す「日本再統一」とは、どんな日本を意味するのか。
私は、このあたりが『日本三國』を読むうえで特に気になっています。
今後、過去の歴史が少しずつ明らかになったとき、現在の三国や青輝たちの行動も、また違って見えてくるのかもしれません。


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