可愛らしい絵柄と「ポンポさん」というタイトルから想像できるゆるふわな日常系マンガかと想像しませんか。しかし、中身は驚くほどハードで理論的な映像制作の人生の指針です。この作品、SNSから人気がでてアニメ映画化を果たすほど話題の作品です。イラスト投稿サイトpixivでは80万以上のレビューを獲得しています。この記事では基本情報やあらすじ、主要主人公、アニメ映画版の声優、魅力などを紹介します。
『映画大好きポンポさん』とは?
『映画大好きポンポさん』(MFCジーンピクシブシリーズ/KADOKAWA刊)は杉谷庄吾【人間プラモ】による漫画作品。pixiv80万ビューを超え、「このマンガがすごい!2018 オトコ編」で17位、「マンガ大賞2018」では10位入賞している。KADOKAWAより第3巻まで発売されています。『映画大好きポンポさん』は2015年5月に5分の深夜アニメ用に制作されたが頓挫した企画がもとになっている。ポンポというキャラクターを捨てるのはもったいないと判断した作者がアニメが無理なら漫画にすればいいと制作されたものがこの作品。
映画の撮影・編集・演出など普段目にすることのない制作の裏側がリアルに描かれているのが魅力です。
『映画大好きポンポさん』のあらすじ
舞台はニャリウッド。ポンポさんのもとで製作アシスタントをしているジーン。映画に心を奪われた彼は、観た映画をすべて記憶している映画通だ。映画ノートは100冊を超えている。映画を撮ることにも憧れていたが、自分には無理だと卑屈になる毎日。だが、ポンポさんに夏の新作映画「MARINE」の15秒スポットの制作を任され、映画づくりに没頭する楽しさを知る。 ある日、ジーンはポンポさんから次に制作する映画『MEISTER』の脚本を渡され、監督に指名される。ポンポさんの目利きにかなった新人女優をヒロインに迎え、波瀾万丈の撮影が始まる。
『映画大好きポンポさん』主要キャラクター紹介
ジョエル・ダヴィドヴィッチ・ポンポネット
通称はポンポさん。ノンシャラン映画の敏腕プロデューサー。普段はB級映画ばかり撮っている。小柄で可愛いのに判断はシビアで天才肌。「映画は90分を超えるな」などの名言もある。プロとしての厳しい姿勢が全面に出るキャラ。好きな映画は「セッション」「デス・プルーフ」「フランケンウィニー」。
ジーン・フィニ
人見知りで冴えない青年だが、映画を愛する心は誰にも負けない編集マン。ポンポさんに見出され、映画監督として成長していく。ポンポさんの映画「MEISTER」で監督に抜擢されニャカデミー賞を受賞。好きな映画「スティング」「ファイト・クラブ」「タクシードライバー」。
ミスティア
人気の若手俳優。夢は自分の出る映画をプロデュースすること。たくさんの映画に出演しお金を貯めている。好きな映画「カミーユクローデル」「アデルの恋の物語」「プロンデ姉妹」。ジーンが監督する映画でヒロインを演じる。気品がありながらも芯の強いキャラクターで、彼女が登場するシーンは印象深い。
ナタリー・ウッドワード
俳優志望。サンロード出身。オーディションに落ち続け、生活のため週7でバイトをしていた。ポンポさんの映画「MEISTER」のヒロインに抜擢。「MEISTER」でニャカデミー新人女優賞受賞。好きな映画は「マルセルのお城」「秘密の花園」「バベットの晩餐会」
ジョエル・ダヴィドヴィッチ・ペーターゼン
元映画プロデューサー。ポンポさんの祖父。好きな映画は「ペーパー・ムーン」「第七の封印」「狩人の夜」。
マーティン・ブラドット
存在そのものが伝説。世界一の俳優。10年間仕事を離れていた。好きな映画は「欲望というの名の電車」「ゴッド・ファーザー」「地獄の黙示録」。
『映画大好きポンポさん』のアニメ映画版の主要声優・キャスト
ポンポさん:小原好美
「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」藤原千花や「無色転生~異世界行ったら本気だす~」ロキシー・ミグルディアなどを演じた声優。
ジーン:清水尋也
映画『ホットギミック ガールミーツボーイ』や『渇き。』ほか数々の映画やドラマで注目を集めている俳優。この映画で声優初挑戦している。ただ、最近では乾燥大麻を所持したとして麻薬取締法違反の罪で逮捕されている。とても残念です。
ナタリー:大谷凜香
性ファッションモデル、『ミスミソウ』で映画初出演女優。
マーティン:大塚明夫
「攻殻機動隊」シリーズのバトーやアニメ「ブラック・ジャック」のブラック・ジャックなどを演じた声優。
ナタリー:加隈亜衣
「最後にひとつだけお願いしてもよろしいてしょうか」テレネッツァ・ホプキンス「地獄先生ぬ~べ~第2クール」ゆきめなどを演じた声優。本作が劇場アニメーション声優初挑戦。
『映画大好きポンポさん』どこが面白い?
『映画大好きポンポさん』の魅力や面白い点を4つ紹介します。
1つ目は、映画の撮影・編集・演出など、普段目にすることのない制作の裏側がリアルに描かれている点です。
作品に命を吹き込む瞬間などの描写はリアルで映画好きには共感できる場面だと思います。また、漫画ならではのテンポの良さやアニメ映画ならではの映像演出も魅力の一つです。
2つ目はキャラクターの考え方が魅力な点です。
作品の場面を一つ紹介するのであれば、ジーンがなぜ自分を採用したのかポンポさんに尋ねるシーンです。ジーンを採用した理由は「目に光がなかったから」とポンポさんは答えます。その後に「満たされた人間っていうのは満たされているが故にモノの考え方が浅くなる。深く考えなくても今幸せだから。幸福は創造の敵 彼らにクリエイターとしての資質なし」「幸せな連中に比べジーン君は社会に居場所が無い人間特有の追い詰められた目をしてるの」「現実から逃げた人間は自分の中に自分だけの世界を作る まさに創造的精神活動!心の中に蠢く社会と切り離された精神世界の広さと深さこそがその人のクリエイターとしての潜在能力の大きさだと私は確信している」というセリフが続きます。ストンと自分の中に落ちるセリフでした。
3つ目は、なんといっても主人公ポンポさんの圧倒的キャラクター性が魅力な点です。
かわいい見た目とは相まってプロデューサーとしての判断力や厳しさが一際目立ちます。そのギャップがいいのです。
4つ目は、読みやすいという点です。
140ページという分量にも関わらず一気に読めてしまう作品です。無駄なシーンが少ないからだと思います。そして、1本の映画を見ているようなそんなスピード感で作品が読める点も魅力です。
まとめ
気軽に読めるのに、映画の撮影・編集・演出など普段目にすることのない制作の裏側がリアルに触れられる作品『映画大好きポンポさん』。これは、この作品の強みです。映画好きや何かを作ることに興味がある人には刺さる作品です。
漫画もアニメ映画もそれぞれの魅力があるので両方見ることをお勧めします。
そして作品の中で言われる「幸福は創造の敵」という言葉、この言葉にドキッとされた方はきっと何かを創りたくなるはずです。
『映画大好きポンポさん』を通して、オタクであることが強みになることがよくわかります。なんたってオタクは、必要な才能をすでに持っているのですから。そして好きだからこそ突き進むことができます。それは、最高のパフォーマンスをしたいからです。その最高のパフォーマンスはこだわりが強いからこそ最高の作品が出来上がります。周りを巻き込んでも作り上げるそのこだわりこそがオタクの神髄なのかもしれません。
自分に才能がないと嘆くより、ある才能を信じて進むことの大切さを教えてくれる作品でした。
『映画大好きポンポさん』は1冊完結作品ですので手に取りやすいのもおすすめです。ぜひ読んでみてください。

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