不老不死の女性と彼女を想い続ける青年の物語。山うたさんの漫画『兎が二匹』は「生きる意味」と「喪失」を描いた切ない物語です。全2巻で完結する短編ながら読後に深い余韻が残る作品。この記事ではあらすじや見どころ感想レビューなどをわかりやすく紹介します。
『兎が二匹』とは?
全2巻で完結する『兎が二匹』は江戸時代から現代までを生き続ける不老不死の女性の人生を描いた物語です。死にたいと願う女性と、生きてほしいと願う青年のすれ違う思いが胸を打ちます。
『兎が二匹』の基本情報
『兎が二匹』は『このマンガがすごい!2017』オトコ編第9位にランクインしています。pixivにアップされると、せつない恋物語が一躍注目を集めました。単行本が販売されるとさらに話題を呼読んでいます。単行本は全2巻が発売中です。この作品、なんと山うたさんの商業デビュー作です。『兎が二匹』は他にも多くの受賞をしています。「俺マン2016」にて5位を受賞。「あゆみCOMIC大賞」にて大賞受賞などです。
『兎が二匹』あらすじ
398年生きる不老不死の女性すず。長い人生の中で、数えきれない別れを経験した彼女は生き続けることに疲れ「死にたい」と願うようになります。そんな彼女とともに暮らす青年サク(宇佐美咲朗)は彼女と生きたいと願います。過去と現在を行き来しながらすれ違う思いの中で紡がれる2人の切ない愛を描いた物語。
『兎が二匹』見どころ
見どころは5つあります。
1つ目は、全2巻で濃厚なストーリーとなっています。全2巻という短いながらに、愛・孤独・死生観を深く描いているとても完成度が高い作品ところです。手に取りやすい巻数だと思います。
2つ目は、稲葉すずの、永遠に生き続ける苦しみと、終わらない別れの悲しみ、人が誰かを喪うということの痛みがとてもリアルに描かれているとこです。一度でも誰かを喪う経験は心に深く刻まれる出来事なのにそれを約400年も繰り返す、死にたくなる気持ちもわかる気がします。
3つ目は、稲葉すずと宇佐美咲朗の思いの違いが切なくて「死にたい女」と生きてほしい男」の対比が胸を打つところです。
4つ目は、不老不死から見る約400年の人生の記憶が少しずつ描かれ現在と過去を行き来する構成が物語を深くしているところです。不老不死の視点から見る歴史の流れが独特な世界観を生んでいて面白いです。
5つ目は、シリアスな流れで構成されているのかと思うと笑いを誘う場面が描かれていて読み続けられるところです。シリアスで最後まで物語が進むと重すぎて途中読む気が滅入るし、読み終わりも暗い気持ちのままになってしまします。そこが、途中途中に笑える場面があることで中和されているように感じました。
『兎が二匹』を読んだ感想レビュー
多くの感想に、「「大切な人との時間を大事にしないと取り返しがすかない」というメッセージが強く残る作品だ」とありました。私も、人生を考えさせられる作品だと思います。他にも、「現在・過去・未来を行き来しながら、ふたりの関係と人生が紡がれていく構成が秀逸」や「表紙の彼女の表情が印象的で、読み進めるほど心に刺さる感情描写が魅力」などがありました。
『兎が二匹』をおすすめする人
『兎が二匹』をおすすめする人は
・切ない恋愛ストーリーが好きな人
・読後の余韻が残る深い作品を読みたい人
・泣ける漫画・感動できる作品が読みたい人
・静かに心に響く作品が読みたい人
・少ない巻数で完結する作品を読みたい人
・読み終わったあと人生について少し考えてみたくなる作品を読みたい人
です。
最後に
この物語は読み始めたときに想像した結末とどれとも違う終わり方をしていました。人との出会いの大切さや限りある命の尊さを改めて感じさせられます。ぜひ読んでみてください。

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