可愛いダイバーのイラストが印象的な作品「海底清掃人マタタビュリス」。新連載とのこと。どんな作品か気になる方のため、あらすじや登場キャラクターなどを紹介。
あらすじと舞台設定
漫画誌ハルタVol125から連載がスタートした漫画「終末世界の少女潜水記 海底清掃人マタタビュリス」(作者:本山とらじろう)を紹介します。漫画誌ハルタ122号で読切だったものが連載化されたものです。ほのぼのしたSF作品です。
本作は、地球の寿命のカウントダウンが始まっている少し前の時代。汚染された海が広がり文明の多くが海底に沈んでいます。多くの人間が機械化し寿命が長寿になって生きています。海に沈む住宅区から海上プラントへ移住をした人々が海底に残してきたもの「想い出」。主人公は依頼を受けそんな人々の海底に残した「想い出」をすくいあげます。そんな主人公が送る日常とすいあげたモノ、その時代を普通に生きる人々の毎日の記録です。主人公のダイバーとしてのすごさはもちろん、主人公が感じる感性や本人の可愛さ、猫みたいな動き、面白さが第1話からしっかり描かれていておすすめです。
登場キャラクター
タマ・C(チュール)マタタビュリス
マタタビュリス海底に住む「落とし物」を拾う仕事、「海底清掃人」をしている。一度泳げば完璧に同じ道を辿れるダイバー。ライセンスはマスタークラス。このライセンスを持っているのは2人だけ。女の子である。男の子だと思って読み進めていたけど女の子とのこと。びっくりです。何度見ても服装がカワウソで行動が猫に見えてしまいくすっと笑ってしまいます。
おっちゃん
マタタビュリスの所属する廃品回収業者の社長兼受付。元潜水士でマタタビュリスの保護者的存在。見た目は生身の人間ですが内臓のほとんどを機械化している。マタタビュリスの健康が気になる。ダイバーライセンスはマタタビュリスの一つ下のゴールドクラス。つなぎの後ろ姿がなんかいいです。
依頼人シイナン
いくつもの海底清掃社に断られてたどり着いた。海に沈んだ住宅区画BへVHSの回収を依頼する。機械に順応できず亡くなった妻と娘が記録されている。薄れる想い出の中でVHSに残る二人の姿をもう一度見たいと依頼。主人公に初対面で警戒されていました。その時の主人公の顔が何とも表現しがたい顔をしていて面白い。動きも猫みたいでくすっと笑えます。
第1話を読んで
依頼した家族が映ったVHSはゾンビサンゴに喰いつくされ回収不可能になっていましたが、依頼主の「かぞく」という言葉に主人公が家庭用警備ロボット”ビーラ”を持ち借る機転のよさがすごいです。ずっと玄関に置いていただけで人の出入りしか記録にないはずのロボット。そのロボットに求めていた映像が残っているとは思えません。だから、ロボットから生きている家族の映像を見ることができたことで温かい気持ちになりました。主人公の最後のセリフもいい。「ビーラ 家族のところに行けてよかったな~!」主人公のしぐさ一つ一つも優しいです。
どこで読める
漫画誌ハルタにて連載中です。
COMITIA143新刊「海底清掃人マタタビュリスの日常」もあります。SNSで掲載していた短編も収録、書下ろしもいくつかあり。日常はおっちゃんとの掛け合いや海底からすくいあげてきたモノを使ってみるシーンが多い。普段身近にあるモノも初めて見て使ってみる人には違うモノに見え感覚も違うんだなというのがよくわかる作品です。
まとめ
「終末世界の少女潜水記 海底清掃人マタタビュリス」のあらすじや登場キャラクター第1話を読んでみてなど簡単に紹介してきました。作品全体ほのぼのした作品ですが、セリフはちょっと刺さるものがあります。読んでいて思うことは主人公の名前”マタタビュリス”が舌を噛みそうな名前だということ。声に出すと絶対舌を噛む自身があります。名前から連想できる猫、だから動きが猫みたいなのかと。続きが読んでみたくなる作品です。

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