1995年に連載が始まった『天(そら)は赤い河のほとり』が、約30年の時を経て再び大きな注目を集めています。
篠原千絵先生による本作は、『少女コミック』(小学館)で1995年から2002年まで連載された歴史ファンタジー漫画です。
コミックスは全28巻で完結しており、2026年1月時点で電子版を含む累計発行部数は2,000万部を突破。第46回小学館漫画賞も受賞しています。
そして2026年7月。
連載終了から20年以上、連載開始から約30年という時間を越えて、ついにテレビアニメがスタートしました。
日本テレビでは7月7日から、BS日テレでは7月8日から放送されています。
長年のファンからすれば、これは単なるアニメ化ではありません。
「あのユーリたちが、令和の映像として動く」
その事実そのものが、ひとつの事件だったと思います。
一方で、アニメから初めて『天は赤い河のほとり』を知った人にとっては、
「昔の少女漫画なのに、なぜ今も人気なの?」
「タイムスリップものとして面白いの?」
「恋愛漫画なの?歴史漫画なの?」
と疑問に思うかもしれません。
私自身、改めて本作を読み返してみて感じたのは、『天は赤い河のほとり』は「昔の名作」だから今も評価されている作品ではないということでした。
むしろ逆です。
今読んでも古びにくいテーマを、30年近く前にすでに描いていた。
これこそが、本作が世代を越えて読み継がれている最大の理由なのではないでしょうか。
この記事では、『天は赤い河のほとり』の基本情報やあらすじを紹介しながら、なぜ今も読者を惹きつけるのかを、私なりの視点から考察していきます。
※物語の結末については後半で触れます。完全なネタバレを避けたい方は「魅力」の項目までを読むことをおすすめします。
- 『天は赤い河のほとり』とは?まずは基本情報を紹介
- 『天は赤い河のほとり』のあらすじ
- 『天は赤い河のほとり』の舞台は実在したヒッタイト帝国
- 『天は赤い河のほとり』最大の魅力①「歴史」と「物語」の境界が絶妙
- 私が考える『天は赤い河のほとり』の凄さ――「史実を説明しない」のに歴史が頭に残る
- 『天は赤い河のほとり』最大の魅力②ユーリが「守られるヒロイン」で終わらない
- ユーリの魅力は「強いから」ではない
- ユーリの物語は「異世界転移」ではなく「自分の居場所を選ぶ物語」なのでは?
- 私が特に好きなのは「帰れるなら帰る」とは限らないところ
- 『天は赤い河のほとり』最大の魅力③カイルとの恋愛は「溺愛」だけではない
- 「カイル派?ラムセス派?」で悩むのも本作の楽しみ
- 『天は赤い河のほとり』は悪役まで「人間」として描く
- 『天は赤い河のほとり』は「少女漫画」という言葉だけでは収まらない
- 『天は赤い河のほとり』はなぜ30年近く経っても古く感じないのか?
- 「古代世界」がユーリを変えたのではなく、ユーリが自分自身を発見したのでは?
- 【ネタバレ】ユーリは最後に日本へ帰れる?結末を簡単に紹介
- 2026年7月ついにTVアニメ化!約30年越しの映像化
- アニメ版『天は赤い河のほとり』の声優キャスト
- 原作ファンがアニメ化で一番楽しみにしているもの
- 「昔の少女漫画だから」と読むのを迷っている人へ
- 『天は赤い河のほとり』を今から読むなら、ここに注目してほしい
- 『天は赤い河のほとり』のキャラクターをもっと知りたい人へ
- 『天は赤い河のほとり』は面白い?リアルな評判が気になる人へ
- ナキア皇妃が気になる人は、ぜひ「悪役」という見方を変えてほしい
- 『天は赤い河のほとり』が今も愛される理由を考えてみた
- まとめ 『天は赤い河のほとり』は「30年前の名作」ではなく「今読んでも刺さる物語」
『天は赤い河のほとり』とは?まずは基本情報を紹介
『天は赤い河のほとり』は、篠原千絵先生が描いた歴史ファンタジー作品です。
『天は赤い河のほとり』基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作品名 | 『天は赤い河のほとり』 |
| 作者 | 篠原千絵 |
| 出版社 | 小学館 |
| 掲載誌 | 『少女コミック』 |
| 連載期間 | 1995年~2002年 |
| コミックス | 全28巻 |
| 文庫版 | 全16巻 |
| 累計発行部数 | 2,000万部超※電子版含む |
| 受賞歴 | 第46回小学館漫画賞 |
| 舞台 | 紀元前14世紀のヒッタイト帝国 |
| アニメ | 2026年7月より放送開始 |
2026年1月時点で累計発行部数は2,000万部を突破しており、現在も小学館漫画賞の歴代受賞作品として公式アーカイブに掲載されています。
この数字だけを見ても、本作が一時的なヒット作ではなく、長い時間をかけて読者を獲得してきた作品であることが分かります。
『天は赤い河のほとり』のあらすじ
物語の主人公は、現代日本で暮らす普通の少女、鈴木夕梨(ユーリ)。
第一志望の高校への合格を目前に控え、恋人との時間を過ごしていた彼女に、ある日突然、異変が起こります。
水たまりから伸びてきた謎の手。
その手に引きずり込まれ、水中を抜けた先に待っていたのは――。
紀元前14世紀の古代オリエント世界。
ユーリが飛ばされたのは、実在した古代国家・ヒッタイト帝国でした。
しかも、ユーリがそこへ呼び出されたのは偶然ではありません。
ヒッタイト宮廷で権力を握る皇妃ナキアが、自らの息子を皇位につけるために行った魔術によって、ユーリは「生贄」として召喚されたのです。
現代日本に帰ることもできない。
言葉も文化も違う。
しかも、自分を利用しようとしている強大な権力者までいる。
そんな絶望的な状況でユーリを救ったのが、ヒッタイト帝国の第3皇子、カイル・ムルシリでした。
こうしてユーリはカイルの側に身を置きながら、元の世界へ帰るための方法を探すことになります。
しかし、彼女を待っていたのは単純な「異世界脱出」の物語ではありません。
宮廷内の権力争い。
国家同士の戦争。
身分制度。
宗教。
陰謀。
そしてカイルとの恋。
ユーリは少しずつ、ただ「日本へ帰りたい」と願っていた少女から、古代世界の歴史そのものを動かす存在へと成長していきます。
『天は赤い河のほとり』の舞台は実在したヒッタイト帝国
本作の大きな特徴の一つが、舞台設定です。
物語の舞台となるヒッタイト帝国は、現代のトルコを中心とするアナトリア地域に実在した古代国家です。
つまり『天は赤い河のほとり』は、「完全に架空の異世界へ転移する物語」ではありません。
実在した古代文明の中に、ユーリという架空の少女を放り込んでいる。
ここが本作の面白いところです。
アニメ版でも歴史考証を担当するスタッフとして、アナトリア考古学研究所に関わる研究者の名前が公式サイトに掲載されています。
つまり、2026年のアニメ化でも、この「古代オリエントを描く」という作品の根幹は大切にされているわけです。
『天は赤い河のほとり』最大の魅力①「歴史」と「物語」の境界が絶妙
私が本作を読み返して改めて面白いと感じたのが、ここです。
『天は赤い河のほとり』には実在の歴史上の人物や国家、出来事を思わせる要素が数多く登場します。
一方で、「これは歴史漫画です」と言い切れる作品でもありません。
ユーリという現代人を中心に、恋愛、魔術、陰謀、戦争が組み込まれています。
つまり、史実をそのまま漫画化するのではなく、史実の隙間に物語を入れている。
このバランスが非常に巧い。
私はここが本作の「沼」の入口だと思っています。
最初は、「ユーリとカイルの恋愛が気になる」
だけだったはずなのに、
「この時代って本当にこんな国だったの?」
「ヒッタイトってどんな国?」
「エジプトとの関係は?」
と、どんどん歴史そのものが気になってくる。
少女漫画を読んでいたはずなのに、気づけば古代オリエントを調べている。
この感覚が面白いのです。
私が考える『天は赤い河のほとり』の凄さ――「史実を説明しない」のに歴史が頭に残る
歴史漫画の難しいところは、説明が多くなりすぎることです。
「この国はこういう制度で……」
「この時代にはこういう文化があって……」
と説明ばかりされると、物語から離れてしまいます。
ところが本作では、ユーリ自身が現代日本から来た人間です。
だから読者もユーリと一緒に、
「なぜこんなことをするの?」
「この人は何者なの?」
「この国ではこれが普通なの?」
と知っていくことができます。
つまりユーリは、読者と古代世界をつなぐ窓になっている。
私はここが、30年近く経っても本作が読みやすい理由の一つだと思っています。
『天は赤い河のほとり』最大の魅力②ユーリが「守られるヒロイン」で終わらない
本作を語るうえで、ユーリの成長は絶対に外せません。
物語の最初、ユーリは普通の現代の少女です。
突然、見知らぬ古代世界へ連れてこられれば、「日本へ帰りたい」と思うのが当然でしょう。
実際、ユーリも最初から強かったわけではありません。
怖い。
帰りたい。
どうすればいいのか分からない。
それでも、古代世界で生き延びるうちに少しずつ変わっていきます。
乗馬や剣術を身につける。
人々の苦しみに目を向ける。
自分より弱い立場の人を放っておけなくなる。
そして、自分自身の意思で行動するようになる。
公式アニメサイトでもユーリは「正義感が強く運動神経が良い」人物として紹介され、馬術や剣術にも優れ、やがて戦いの女神イシュタルとして名を馳せる存在として説明されています。
ユーリの魅力は「強いから」ではない
ここは個人的にかなり重要だと思っています。
ユーリが魅力的なのは、最初から最強だからではありません。
むしろ、弱い立場に置かれた普通の少女が、自分で強くなっていくからこそ魅力的なのです。
現代の知識があったとしても、紀元前14世紀の世界で簡単に生きられるわけではありません。
言葉。
文化。
身分制度。
戦争。
女性の立場。
何もかも違う。
そんな環境で、ユーリは「誰かに守ってもらうだけ」の道を選びません。
私はここに、本作が令和でも古く感じにくい最大の理由があると思います。
ユーリの物語は「異世界転移」ではなく「自分の居場所を選ぶ物語」なのでは?
ここからは、私個人の考察です。
『天は赤い河のほとり』は、表面的には、「現代の少女が古代へタイムスリップする物語」です。
でも、最後まで読んでから振り返ると、私は少し違って見えます。
これは、「自分の居場所を自分で選ぶ物語」なのではないでしょうか。
最初のユーリには、古代に来るという選択肢がありませんでした。
勝手に連れてこられた。
だから当然、「帰りたい」と思う。
ところが物語が進むにつれて、ユーリは古代世界に人間関係を築いていきます。
守りたい人ができる。
守りたい場所ができる。
自分を必要としてくれる人たちができる。
そうすると、「帰ること」の意味そのものが変わってくる。
これは30年前の少女漫画として考えると、かなり先進的だったのではないでしょうか。
私が特に好きなのは「帰れるなら帰る」とは限らないところ
異世界転移ものでは、「元の世界に帰る」ことがゴールになる作品も少なくありません。
ところが『天は赤い河のほとり』では、「日本へ帰ること」が単純な幸福として描かれているわけではありません。
ユーリには日本に家族がいます。
友人もいる。
元の生活もある。
だからこそ、古代世界で築いたものとの間で揺れる。
この「どちらも捨てきれない」という葛藤が、本作を単なる異世界恋愛ものにしていないと思います。
『天は赤い河のほとり』最大の魅力③カイルとの恋愛は「溺愛」だけではない
もちろん、カイルの魅力も本作の大きな柱です。
カイルはヒッタイト帝国の第3皇子。
容姿端麗で、政治的な判断力もあり、戦う力も持っている。
少女漫画のヒーローとして見れば、かなり完成度の高い人物です。
ただ、私はカイルとユーリの関係を単純な、「完璧な王子様がヒロインを守る恋」とは考えていません。
むしろ面白いのは、ユーリ自身がカイルの隣に立てる人物へ変わっていくことです。
最初はカイルに守られていたユーリが、やがて自分の意思を持ち、国や民のために動く。
つまり二人の関係が、
「守る側と守られる側」
から、
「互いに背中を預ける関係」
へ変化していく。
ここが恋愛漫画として非常に強いのです。
「カイル派?ラムセス派?」で悩むのも本作の楽しみ
『天は赤い河のほとり』を読んだ人なら、一度は考えたことがあるでしょう。
カイル派なのか、ラムセス派なのか。
カイルにはカイルの魅力があります。
一方で、エジプト側のラムセスにも、カイルとはまったく違う野性味や強烈な存在感があります。
ただし、このテーマは既存の「ラムセスの魅力・カイル派vsラムセス派」記事で詳しく扱っているため、ここでは深入りしません。

今回の記事では、むしろ、「なぜ30年近く経っても、読者がキャラクターについて語りたくなるのか」という部分に注目したいと思います。
その理由は、登場人物が単純な「善人」「悪人」に分かれていないからです。
『天は赤い河のほとり』は悪役まで「人間」として描く
本作の魅力を語るなら、ナキア皇妃も外せません。
ただし、ナキアについてはすでに独立した考察記事があるため、ここで過去や最期まで詳しく解説することはしません。

ここで私が注目したいのは、「なぜ本作の悪役は、単なる悪役で終わらないのか」
という点です。
ナキアにもナキアの事情がある。
ウルヒにもウルヒの事情がある。
敵にも、それぞれの人生がある。
だから読者は、「この人が悪い」だけでは終われない。
これは篠原千絵先生の作品に共通する魅力でもありますが、『天は赤い河のほとり』では特に強く感じます。
『天は赤い河のほとり』は「少女漫画」という言葉だけでは収まらない
本作を「少女漫画」と聞いて、「恋愛中心の作品なのかな?」と思った人がいるなら、私は少し違うと言いたいです。
もちろん恋愛は重要です。
でも、それだけではありません。
歴史。
戦争。
政治。
宗教。
権力闘争。
家族。
身分制度。
女性の生き方。
そして、
愛。
これだけの要素を28巻に詰め込んでいます。
だからこそ、若い頃に読んだ人が大人になって再読すると、以前とは違う人物に感情移入することがあります。
昔はユーリに共感していた。
今はナキアの事情が少し分かる。
以前はカイルがかっこいいと思った。
今は皇帝としての判断の重さが気になる。
こうして読み手の人生経験によって見えるものが変わる。
私はこれこそが「名作」の条件だと思っています。
『天は赤い河のほとり』はなぜ30年近く経っても古く感じないのか?
ここで、私なりの答えを出してみます。
理由は、「物語の中心にある問題が、古代の話ではないから」です。
ユーリが直面する問題は、
「自分はどこで生きるのか」
「誰を信じるのか」
「何を守るのか」
「誰のために生きるのか」
というものです。
これは2026年になっても変わりません。
スマートフォンがあっても。
SNSがあっても。
AIが発達しても。
人間が悩むことは、結局そこまで変わっていない。
だから30年前の物語なのに、今読んでも刺さる。
私はそこに本作の強さを感じます。
「古代世界」がユーリを変えたのではなく、ユーリが自分自身を発見したのでは?
ここからは私個人のもう一つの考察です。
本作を読んでいて、私はもう一つ気になることがあります。
ユーリは古代世界に来たことで「強くなった」とよく語られます。
でも、本当にそうなのでしょうか。
私は、「古代世界がユーリを強くしたのではなく、古代世界によってユーリが元々持っていた強さを発見した」のではないかと思っています。
現代日本では、ユーリは「普通の女の子」でした。
ところが古代では、
正義感。
行動力。
身体能力。
他者を思いやる気持ち。
危機に直面したときの判断力。
そうしたものが生きるための力になります。
つまり、環境が変わったことで、「普通だった少女の中にあったもの」が可視化された。
これがユーリの成長の本質なのではないでしょうか。
だからこそ、読者もユーリを応援したくなる。
「私も環境が変われば何かできるかもしれない」
そんな感覚を、無意識に与えてくれるからです。
【ネタバレ】ユーリは最後に日本へ帰れる?結末を簡単に紹介
ここからは原作の結末に触れます。
結論から言うと、ユーリは最終的に現代日本へ戻らず、古代ヒッタイトに残る道を選びます。
物語の中では、ユーリが日本へ帰るための機会が何度も描かれます。
つまり、「帰りたいのに帰れない」だけではありません。
最後には、帰る可能性がある状態で、それでも自分の意思で残るという選択が重要になります。
この結末をどう受け取るかは、読者によってかなり違うでしょう。
「日本の家族はどうなるの?」
という切なさも残ります。
一方で、「ユーリが自分で選んだ人生なのだから、これも一つのハッピーエンドなのでは?」とも考えられる。
私は後者の意味が非常に大きいと思っています。
ユーリは最後に「古代に閉じ込められた少女」ではなく、自分の人生を自分で選ぶ女性になった。
だからこそ、この結末には作品全体を貫く意味があるのだと思います。
なお、日本の家族がその後どうなったのかについては、本編だけでは分からない部分も多く、独立記事で詳しく考察しています。

2026年7月ついにTVアニメ化!約30年越しの映像化
そして現在、『天は赤い河のほとり』はテレビアニメとして放送されています。
日本テレビでは2026年7月7日から、BS日テレでは7月8日から放送開始。
1995年の連載開始から約30年を経て、初めてのテレビアニメ化となりました。
アニメーション制作を担当するのはタツノコプロ。
さらに歴史考証には、アナトリア考古学研究所に関わる専門家も参加しています。
ここは原作ファンとしてかなり期待したいところです。
『天は赤い河のほとり』は、ただキャラクターを動かせば完成する作品ではありません。
古代オリエントの空気。
宮殿。
衣装。
武器。
戦場。
大地。
そして、作品タイトルにもなっている「赤い河」。
漫画を読んでいたとき、読者の頭の中にしか存在しなかった世界を、アニメでは実際に「見る」ことができます。
これは30年前の読者にとって、かなり感慨深いものがあります。
アニメ版『天は赤い河のほとり』の声優キャスト
主要キャラクターの声優は以下の通りです。
- ユーリ(鈴木夕梨):橘 美來
- カイル・ムルシリ:加藤 渉
- ナキア:内田 彩
- ザナンザ・ハットゥシリ:千葉 翔也
- イル・バーニ:前野 智昭
- ウルヒ:遊佐 浩二
- マッティワザ:鳥海 浩輔
- ナレーション:七海ひろき
公式サイトでは、ユーリを橘美來さん、カイルを加藤渉さん、ナキアを内田彩さんが担当することが発表されています。
また、キックリ役の大野智敬さん、ハディ役の青木志貴さん、カッシュ役の石谷春貴さん、ルサファ役の榎木淳弥さんなど、追加キャストも発表されています。
原作ファンがアニメ化で一番楽しみにしているもの
私が一番楽しみにしているのは、実は「戦闘シーン」だけではありません。
むしろ、ユーリとカイルの距離感です。
原作では、二人の関係が少しずつ変化していきます。
最初から完成された恋愛ではない。
互いに誤解することもある。
立場の違いもある。
そして、古代社会ならではの価値観もある。
それでも少しずつ信頼が積み重なっていく。
この「時間」が、『天は赤い河のほとり』の恋愛の魅力です。
アニメでは声が加わることで、漫画では読者が頭の中で補完していた感情が、どのように表現されるのか。
ここは長年のファンほど気になる部分ではないでしょうか。
「昔の少女漫画だから」と読むのを迷っている人へ
私はむしろ逆に言いたいです。
今だからこそ読んでほしい。
もちろん、絵柄には1990年代の少女漫画らしさがあります。
そこは否定できません。
でも、物語のテーマまで古くなったわけではありません。
むしろ、「自分の人生をどう選ぶのか」というテーマは、今の時代だからこそ響くと思います。
SNSを見れば、誰かの生き方が簡単に目に入ってくる。
「こうするべき」
「こう生きるべき」
という情報も大量に流れてくる。
そんな時代だからこそ、「自分はどうしたいのか」を最後には自分で決めるユーリの姿が、以前より強く見えるのです。
『天は赤い河のほとり』を今から読むなら、ここに注目してほしい
これから初めて読む人には、ぜひ以下のポイントを意識してほしいです。
①ユーリの「強くなり方」
単純に戦闘能力が上がるだけではありません。
人との関わり方や、自分の意思を持つことも含めて変化していきます。
②カイルとの関係
「守ってくれる王子様」としてだけではなく、二人がどのように対等な関係を築いていくのかを見ると面白いです。
③ナキアたち敵側の事情
単純な善悪だけで見ると、本作の面白さをかなり取りこぼします。
④古代ヒッタイトという舞台
作品を読みながら実際のヒッタイト史を調べてみると、さらに沼にハマります。
⑤「帰る」という言葉の意味
最初と最後で、ユーリにとっての「日本へ帰る」の意味がどう変化したのか。
ここに注目すると、結末の印象もかなり変わってくると思います。
『天は赤い河のほとり』のキャラクターをもっと知りたい人へ
ユーリやカイルだけではなく、ナキア、ウルヒ、ザナンザ、イル・バーニ、ルサファ、キックリ、ラムセスなど、本作には非常に多くの魅力的な人物が登場します。
ただ、キャラクターのプロフィールや結末、死亡情報などをすべてここで詳しく説明すると、この記事のテーマである「作品の魅力・紹介」と検索意図が重なってしまいます。
主要キャラクターの立場や関係性、結末について詳しく知りたい方は、こちらでまとめています。

『天は赤い河のほとり』は面白い?リアルな評判が気になる人へ
「名作と言われているけれど、本当に今読んでも面白いの?」
そう思う人もいるでしょう。
これは非常に自然な疑問です。
30年前の作品なのだから、絵柄や価値観が合わない人がいても不思議ではありません。
そこで、
- 本当に面白いのか
- どこが評価されているのか
- 逆に気になる点は何か
- 令和の読者にも刺さるのか
といった「評価・口コミ」に特化した記事も用意しています。

ナキア皇妃が気になる人は、ぜひ「悪役」という見方を変えてほしい
本作を読み終えた後に、ナキア皇妃について考えたくなる人も多いと思います。
彼女は確かにユーリやカイルの前に立ちはだかる強敵です。
しかし、「悪い人だから悪いことをした」だけでは説明できない人物でもあります。
彼女がなぜ権力に執着したのか。
なぜ息子にそこまでこだわったのか。
ウルヒとの関係は何だったのか。
そして最後にどのような人生を迎えるのか。
ここを掘り下げると、『天は赤い河のほとり』という物語そのものの見え方まで変わってきます。

『天は赤い河のほとり』が今も愛される理由を考えてみた
ここまで改めて本作について考えてみると、私は「恋愛」「歴史」「異世界」というジャンルだけでは、この作品の魅力を説明しきれないと思っています。
一番大きいのは、「自分の人生を誰かに決められない」というテーマなのではないでしょうか。
ユーリは最初、ナキアによって勝手に古代へ連れてこられます。
つまり、自分の人生を他人に決められた状態です。
しかし、そこから少しずつ自分の意思を取り戻していく。
誰と生きるのか。
何を守るのか。
どこに居場所を作るのか。
最後には、自分自身で選択する。
だから私は、『天は赤い河のほとり』を単なる「古代エジプト・ヒッタイトを舞台にした少女漫画」として読むのは、少しもったいないと思っています。
これはむしろ、「運命を押しつけられた少女が、自分の人生を自分の手に取り戻す物語」なのではないでしょうか。
そして、それこそが2026年になっても色褪せない理由だと思います。
まとめ 『天は赤い河のほとり』は「30年前の名作」ではなく「今読んでも刺さる物語」
『天は赤い河のほとり』は、1995年に連載が始まり、2002年に完結した作品です。
それから20年以上。
それでも累計発行部数は2,000万部を超え、2026年には待望のテレビアニメ化まで実現しました。
なぜ、これほど長く愛されているのでしょうか。
私は、その理由を次の5つにまとめたいと思います。
- 実在した古代ヒッタイトを舞台にした壮大な世界観
- 歴史とフィクションを融合させた物語
- 普通の少女から「戦女神」へ成長するユーリ
- カイルをはじめとする、簡単には割り切れない魅力的な人物たち
- 「自分の人生を自分で選ぶ」という、時代が変わっても色褪せないテーマ
特に私が今読み返して強く感じるのは、「ユーリは古代世界に連れていかれたのではなく、古代世界で自分自身の人生を見つけたのではないか」ということです。
最初は「帰りたい」と願っていた少女が、最後には自分自身の意思で人生を選ぶ。
この変化を追いかけるだけでも、本作を読む価値は十分にあります。
そして2026年。
約30年前に生まれたユーリたちの物語が、今度はアニメーションとして動き始めました。
原作をリアルタイムで読んでいた世代にとっては懐かしく、初めて触れる世代にとっては新しい。
そんな不思議な作品が『天は赤い河のほとり』なのだと思います。
もし今から読むのであれば、「昔の少女漫画」という先入観はいったん捨ててみてください。
読み始めたときは、「ユーリ、早く日本に帰れればいいのに」と思うかもしれません。
でも読み進めるうちに、「この子は、この世界で何を選ぶんだろう」という気持ちに変わっていくはずです。
そして最後まで読み終えたとき、きっともう一度最初から読み返したくなる。
それが、約30年経った今でも『天は赤い河のほとり』が「不朽の名作」と呼ばれる理由なのではないでしょうか。
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