天は赤い河のほとりアニメ化から原作を読み返す

連載終了から24年、長い時を経てアニメ化される作品『天(そら)は赤い河のほとり』。読まれたことがある方は当時の感動を思い出しませんか。古代ヒッタイトの歴史ロマンに夢中になったあの日々を。少女漫画は若い女性をターゲットにした恋愛要素のある漫画です。『天は赤い河のほとり』も例外なく王道のラブストーリといえます。ただ、この作品を大人になって読み返すとそこには「自立した女性の生き様」など圧倒的なスケールで描かれており、現在にも通じすものがあると気づかされます。そんな『天は赤い河のほとり』の作品紹介や魅力を語ります。ぜひ、作品が気になった方は読んでみてください。

『天は赤い河のほとり』基本情報

作品について

『天は赤い河のほとり』古代オリエントを舞台にした歴史ファンタジー作品です。そんな作品の作者は篠原千絵先生。小学館『少女コミック』に1995年から連載され、ファンブック、単行本全28巻、文庫版全16巻がでている。小学館より外伝小説も刊行されている。電子書籍などを合わせると累計発行部数は2000万部越えです。第46回小学館漫画賞少女部門を受賞。2018年には宝塚歌劇団で舞台化もされました。舞台公演に合わせ篠原千絵先生描き下ろしの読み切り「天は赤い河のほとり~書簡~」が『Sho-Comi』(小学館)2018年6号で掲載されていました。付属の小冊子には篠原先生による連載中のこぼれ話やSho-Comi作家からのファンメッセージも収録されています。

あらすじ

第一志望の高校に合格したばかりの主人公鈴木有梨(ユーリ)は恋人とデートを楽しんでいるときに、突如現れた謎の手によって水の中に引き込まれます。引き込まれた先は、紀元前14世紀の古代ヒッタイト帝国。ユーリを召喚したのは国内で絶大な権力をもつナキア皇太后。ナキア皇太后は自分の子供を次期皇帝にしようと生贄としてユーリを召喚します。そんな時に出合ったのが、皇位継承権の最有力候補である第3皇子カイルでした。側室としてカイルにかくまわれることになったユーリは次第に戦いの女神イシュタルとして多くの国民に認知されるようになります。ユーリが日本へ戻るには3つの条件「高位の神官の魔力」「暁の明星(イシュタル)の登る「水の季節」に国内7つの泉が満ちる時」「ユーリが着て来た服」が揃わなくてはいけません。その一つ「ユーリが現れた泉」がナキア皇后の策略で埋められてしまうとき、それを阻止しようと命の危機に陥っているカイルの救出と日本の家族との間で決断を迫られます。ユーリの選ぶ道とは。

『天は赤い河のほとり』アニメ情報

2026年夏放送開始
原作 篠原千絵「天は赤い河のほとり」(小学館)
監督 小林浩輔
アニメーション制作 タツノコプロ
シリーズ構成 冨田頼子
キャラクターデザイン 藤﨑賢二
歴史考証 松村公仁、吉田大輔((公財)中近東文化センター附属アナトリア考古学研究所)

『天は赤い河のほとり』の魅力

史実とフィクションが絶妙に混ざりあっている

タイトルの「赤い河」はトルコを流れるクズルウルマク川のこと。クズルは「赤」ウルマクは「川」を意味します。
『天は赤い河のほとり』は、ヒッタイトが舞台ですがフィクションだと思いながら読んでいました。読み進めると、作中のキャラクターや出来事が歴史書にちらほら出てきているのに気づき驚きました。そのため歴史の本を同時に読むきっかけにもなりました。中でもザナンザ皇子の話には驚きました。作中の彼は、戦わずともオリエントに平和が訪れる道の実現に向け、エジプト王妃アンケセナーメからの婚儀を受けエジプトへ婿入りする途中襲撃からユーリを庇い亡くなります。この話は歴史書でも書かれています。エジプトから女王とヒッタイト王子との縁談が持ち込まれ王子ザンナンザ王子がエジプトに派遣される途中暗殺されたと。作者はトルコへ取材に赴いていることもあり読んでいてそうなのかと納得してしまいます。史実とフィクションが絶妙に混ざり合っているのです。歴史が好きな方はおすすめです。

成長するヒロイン

『天は赤い河のほとり』はヒロインの成長から目が離せません。ヒロインのユーリは初めは自分の思いだけで行動していてその結果どうなるかまで考えが至らないことが多くそのたびに誰かが犠牲になっていました。「運命に流される側」だったと思います。ですが作品が進むにつれ、葛藤、信念、経験などから成長し「運命を切り開く側」へと自ら変わっていきます。住み慣れた平和な世界に唯一帰れるチャンスを自らの意思で手放し、カイルとともに生きることを選択する、成長したなと感じました。成長するにつれヒロインの魅力も増し思わず作品に引き込まれます。

さいごに

感想・レビューの中には「古い絵に引く」「主人公が幼稚すぎる」「少女漫画にありがちなストーリー」などがあります。その一方で「夢中で読んだ」「ユーリの自立心に勇気をもらった」「ラムセス派かカイル派で一生悩める」などの感想・レビューもありました。大人になって読み返すと当時の自分には見えなかった人間ドラマに気づかされます。歴史ロマンと王道のラブストーリを読みたいと感じているならぜひ『天(そら)は赤い河のほとり』を読んでみてください。そして、篠原先生の世界観に浸ってみてください。

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