江戸時代の大奥を舞台にしたショートコメディ漫画『猫奥』をご存じでしょうか?
江戸城に存在した女の園、大奥を舞台にした本作では猫に愛情を注ぐ人々をコミカルに描いた作品となっています。
猫飼いから見ても『わかる~!』となる要素が詰め込まれた、今も昔も猫が好きな人の気持ちは通じるところがあるのかも、と感じる作品を今回は紹介します。
【ネタバレなし】猫奥の基本情報やあらすじを紹介!
猫奥は実在の人物が多く登場する作品となっています。
江戸時代の大奥では、上司の子猫をもらい受けることで出世の糸口にもなっていたという話があったようです。
作者の山村東先生はその話を用いて『大奥で暮らしている猫』というテーマで本作を作りました。
ここでは、そんな猫奥の基本情報やあらすじをネタバレは避けつつお伝えしていきます。
猫奥の基本情報!舞台となった時代は?
主な舞台としては江戸城大奥ですが、大奥も時代によって様々な移り変わりを遂げています。
猫奥で舞台とされている時代は主人公が13代将軍家定、14代将軍家茂の将軍付御年寄をしていた滝山であることから、幕末だと断定できるでしょう。
理由としては当時、作者が大河ドラマの『篤姫』を見ていたことから『大奥といえば滝山』というイメージがあったとインタビューでも回答がありました。
実際に、その時代に実在した徳川斉昭や歌川国芳なども登場しています。
作中の小物についても、当時実際に使われていたものをベースとしたデザインにしていることから、時代についても丁寧に描いているのがよくわかりますね。
猫奥のあらすじ!
江戸時代の大奥に仕える女性たちの間では、ある時から『猫を飼う』ことが流行りました。
大奥で仕える女性の多くは生涯独身、ありあまる時間をもてあました結果、猫を飼う人が増えたのです。
そんな中、御年寄の滝山は猫を飼っておりませんでした。
滝山が猫を飼っていないのは、猫に興味がなくむしろ嫌っていると、大奥の女性たちの間で、まことしやかに語られていました。
ですが、滝山は実際は猫が大好きで姉小路が飼っている猫『吉野ちゃん』をいつもかわいがっているのです。
しかし、本人の真面目すぎる性格や表情の険しさから周囲に誤解され続ける日々を送ります。
大奥で過ごす女性たちと江戸で暮らす猫の話が『猫奥』の物語なのです。
猫奥の最新刊について、ネタバレなしで解説!
猫奥は2026年2月20日に最新刊である12巻が発売されています。
大奥での猫の日々は変わらず穏やかなような感じですが、幕末の大奥を舞台にしている、ということもあり歴史漫画の側面も出ているようです。
相変わらず、滝山が猫嫌いだと勘違いされている誤解についてはとけてはいないようですが、それもこの猫奥の面白いポイントなのかもしれません。
また、舞台となる時代も巻が進むごとに過ぎていっていくので、どんな結末を迎えるのかも楽しみですね。
果たして、滝山は無事に猫を飼うことができるのか、滝山の猫嫌いという噂はどうなるのか、気になることがたくさんありますね。
猫奥のキャラ紹介!滝山と滝山が愛する猫吉野ちゃんの魅力に迫る!
『猫奥』では作中で江戸時代の人々が多く登場しています。
メインの人物で外せないのは猫嫌いの誤解を受けている滝山と、その滝山がずっと惚れ込んでいる猫の吉野ちゃんです。
今回はこの一人と一匹にフォーカスを当ててキャラの魅力やモデルとなっている人物、ネタについても紹介していきます。
滝山
本作の主人公を務めており、将軍や将軍の正室への謁見が許されている御年寄と呼ばれる役職を持っています。
貧しい武家の出身で、作者からは『真面目過ぎて損をする性格』と評されており、それは猫への接し方でも表れています。
仕事に対しても、己への研鑽に対しても、猫への愛し方に対しても、とても真面目に向き合っているんです。
猫をもらい受ける機会も、仕事に対する真面目さから貰い損ねてしまう等を繰り返した結果、猫嫌いだと誤解を受けてしまいました。
周りからの真面目な評価を崩さないためにも、その噂を払拭しようとはあまりしていませんが、後述する猫吉野ちゃんを筆頭に、猫を須らく愛おしくかわいいと思っています。
幼い時から猫が好きですが、弟が拾ってきた猫に対しても家が貧乏なことを考え『猫ちゃんの幸せを考えて』別のところへ譲る等、猫への愛し方も非常にまじめなところが垣間見えます。
吉野ちゃん
滝山よりも上の階級である上臈御年寄の姉小路の飼い猫です。
全体が白い毛並みですが、頭や尻尾の毛は黒いのが特徴の猫で、滝山が一番気に入っている猫です。
吉野ちゃんの感情や気持ちについては作中であまり描写されません。
『猫奥』では猫が自分の意思を言葉にすることはなく、周囲の人間たちが猫に振り回されたり、気ままに過ごす猫の様子を語り合ったりしている形です。
顔立ちとしてはややふてぶてしい印象もありますが、そっけなくしていると近寄ってきて構いすぎると嫌がる様子は実際の猫でもあるある、と納得すること間違いないでしょう。
猫飼いからすると『わかる!』こと
猫奥で描写される猫の様子や、猫を飼っている女中たちの様子は、猫を飼っている人や猫が好きな人にとって『わかる!』となる要素が多いです。
例えば、滝山が吉野ちゃんを撫でていた際、途中まで機嫌よさそうにごろごろと喉を鳴らしていたのに、急に怒って噛まれてしまいます。
実際の猫も、撫でてくれと要求しているにもかかわらず途中から急にもうやめろと言うようにパンチしてきたり、噛みついてきたりしますよね。
他にも新しい猫を飼ってきたら、前から飼っていた猫が嫉妬してしまうところも猫にはとてもありますね。
猫の生態以外でも、抜け落ちた猫のひげをつい拾い集めてしまうというのは猫飼いにとっても『わかる!』ってなるのかもしれません。
これほど猫について丁寧に描ける理由
『猫奥』では非常に猫の生態や性格、そして猫飼いの様子まで丁寧に描かれています。
作中の場面では『当時の事実をもとにして創作された』ものとなっているんです。
例として篤姫が実際に猫を飼育していた話や、飼い猫にドジョウを食べさせることがあったといったエピソードがあります。
そこから、大奥では猫のえさに高級な魚を与えているという作中での話に繋がっているんです。
他にも、作中の小物についても当時のエピソードを用いて描かれています。
猫の生態に関しても、実際に作者が猫を2匹飼っていることもあり、その性格や過ごす様子などが丁寧に描かれているのも納得ができます。
丁寧に調べ上げた情報からの創作や、実際に飼育している経験を用いて描かれているからこそ、本作で猫が好きな人や猫を飼っている人の様子に共感を得られるのでしょう。
まとめ:丁寧に調べられた歴史背景や猫の様子が魅力的な『猫奥』果たして、滝山は猫を飼えるのか?
ここまで『猫奥』について解説していきました。
幕末の江戸、それも女の園である大奥を舞台にした女中たちと猫の物語は穏やかな日常であり、猫飼いや猫好きに現在は12巻まで出ている『猫奥』ですが、今後もどんな猫と人との江戸における日常が描かれるのか、果たして滝山の噂はどうなるのか、猫を飼えるのか、楽しみですね。
はくすっとくる場面が多くあります。
2025年の7月19日から9月21日の間では東京国立博物館平成館にて開催された特別展『江戸大奥』でも、コラボされた人気作品です。

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