海底清掃人マタタビュリスの魅力!あらすじ・キャラクターを紹介!

可愛いダイバーのイラストが目を引く漫画『終末世海の少女潜水記 海底清掃人マタタビュリス』。

一見するとほんわかしたファンタジー作品のように見えますが、実際読んでみると、海洋汚染や文明の在り方、人と自然の共存といった重厚なテーマが描かれています。思わず考えさせられる作品です。

舞台となるのは、地球の寿命のカウントダウンが始まっている少し前の時代です。汚染された海が広がり文明の多くが海底に沈んでいる時代、海底清掃人の日常を通して、独特の世界観に引き込まれます。

ファンタジーらしい幻想的な魅力がありながら、どこかSF作品のようなリアリティやメッセージ性も感じられる点が本作の大きな特徴です。「可愛い絵柄の漫画が好き」「世界観に浸れる作品を読みたい」「少し深いテーマの作品に触れてみたい」という方にもおすすめです。

本記事では、『海底清掃人マタタビュリス』のあらすじや登場キャラクター、作品の魅力について詳しく紹介します。

『海底清掃人マタタビュリス』の魅力

『海底清掃人マタタビュリス』はただ海に潜る少女を描いた作品ではありません。

本作が描いているのは、海底に沈み、誰にも思い出されることなく、少しずつ忘れ去られていく「記憶」と「想い」の世界です。文明の名残が海の底に沈み、人々の大切なものが静かに朽ちていく終末世界。その空気感がとても切なく、読んでいるだけで胸にじんわりくる作品になっています。

そんな世界で活躍するのが、作中にたった2人しか存在しないマスタークラスのダイバー、マタタビュリスです。彼女は普通の人ではたどり着けない深海へ潜り、依頼人が失ってしまった「思い出」を探し出す仕事をしています。ただの清掃人ではなく、人の心に残る大切な記憶を拾い上げる存在なのです。

本作の魅力は、美しい海底世界だけではありません。主人公・マタタビュリスの優しさや機転の良さが、物語の随所に描かれている点も大きな魅力です。特に印象的なのが、依頼人から”家族の映ったVHSを探してほしい”と頼まれたエピソードです。海底にあったVHSはゾンビサンゴに喰いつくされていて回収不可能になっていました。

普通ならそこで諦めてしまいそうな状況ですが、依頼主の「家族」という言葉から、マタタビュリスは家庭用警備ロボットビーラに着目します。玄関に置かれていただけのロボットに、求めていた映像が残っているとは誰も思いませんよね。しかし、その記録の中には、確かに生きていたころの家族の日常が映っていたのです。

映像を見た依頼主が思わず漏らした「あぁ・・・生きてる」というセリフは、本作のテーマを象徴するような名シーンです。失われたと思っていたものが、完全に消えていなかった。その瞬間の感情がとても丁寧に描かれています。

さらに、その後にマタタビュリスがビーラへ向け言う「ビーラ 家族のところに行けてよかったな~!」というセリフも温かく、彼女の人柄がよく表れていると思います。大げさに感動を押し付けるわけではなく、自然なしぐさや言葉の端々から優しさが伝わってきます。

可愛らしい絵柄ながら、失われる記憶や人の想いを静かに描く『海底清掃人マタタビュリス』。終末世海を舞台にしながらも、読後にはどこか温かさが残る不思議な魅力を持った作品です。

『海底清掃人マタタビュリス』あらすじと舞台設定

漫画誌ハルタVol125から連載がスタートした漫画『終末世海の少女潜水記 海底清掃人マタタビュリス』(作者:本山とらじろう)。漫画誌ハルタ122号で読切だったものが連載化されたものです。ほのぼのしたSF作品です。

本作は、地球の寿命のカウントダウンが始まっている少し前の時代。汚染された海が広がり文明の多くが海底に沈んでいる時代です。汚染された海というのは近い未来現実でも起こりそうで怖いです。

多くの人間は機械化することで寿命が長寿になり生きています。そんな彼らが、海に沈む住宅区から海上プラントへ移住をしたときに海底に残してきたものが「想い出」です。

主人公は依頼を受け人々が海底に残した「想い出」をすくいあげます。主人公が送る日常とすいあげたモノ「想い出」は、その時代を普通に生きる人々の毎日の記録です。

人は機械化することで生き延びました。ただ、その機械化も順応できた人間だけが生き延びることができています。長寿であっても命には限りがあるようで、自信の想い出の家族の顔や声を少しずつ忘れていくその怖さは計り知れません。想い出を少しずつ忘れていく。だからこそ、その思い出をつなぎとめるために海底から想い出を回収する。そしてその願いをかなえるのがマタタビュリスです。

主人公のダイバーとしてのすごさは世界に二人しかいないマスターダイバーであることからもわかります。汚染された海に潜り自由に動ける時点でそのすごさは想像できます。

主人公が感じる感性、本人の可愛さ、猫みたいな動き、面白さが第1話からしっかり描かれていておすすめです。そして、世界観がとてもハードなのに愛らしい絵がそれを包み込んでいるような作品です。

『海底清掃人マタタビュリス』を描いた人はどんな人?

作者は漫画家のとらじろう先生です。北海道在住です。以前から読切漫画が話題になっていました。そしてコミカライズなどでは高い評価を受けています。そんな先生が手掛けた『海底清掃人マタタビュリス』は第1巻が発売されました。

『不遇スキルの支援魔導士~パーティーを追放されたけど、直後のスキルアップデートで真の力に目覚めて最強になった』の漫画も担当されています。

『海底清掃人マタタビュリス』登場キャラクター

タマ・C(チュール)マタタビュリス
マタタビュリス海底に住む「落とし物」を拾う仕事、「海底清掃人」をしている。一度泳げば完璧に同じ道を辿れるダイバー。ライセンスはマスタークラス。このライセンスを持っているのは2人だけ。女の子である。男の子だと思って読み進めていたけど女の子とのこと。びっくりです。何度見ても服装がカワウソで行動が猫に見えてしまいくすっと笑ってしまいます。

おっちゃん
マタタビュリスの所属する廃品回収業者の社長兼受付。元潜水士でマタタビュリスの保護者的存在。見た目は生身の人間ですが内臓のほとんどを機械化している。マタタビュリスの健康が気になる。ダイバーライセンスはマタタビュリスの一つ下のゴールドクラス。つなぎの後ろ姿がなんかいいです。

依頼人シイナン
いくつもの海底清掃社に断られてたどり着いた。海に沈んだ住宅区画BへVHSの回収を依頼する。機械に順応できず亡くなった妻と娘が記録されている。薄れる想い出の中でVHSに残る二人の姿をもう一度見たいと依頼。主人公に初対面で警戒されていました。その時の主人公の顔が何とも表現しがたい顔をしていて面白い。動きも猫みたいでくすっと笑えます。

『海底清掃人マタタビュリス』どこで読める?

漫画誌ハルタにて連載中です。
COMITIA143新刊「海底清掃人マタタビュリスの日常」もあります。SNSで掲載していた短編も収録、書下ろしもいくつかあります。第1巻も発売されています。

『海底清掃人マタタビュリスの日常』はおっちゃんとの掛け合いや海底からすくいあげてきたモノを使ってみるシーンが多いです。普段身近にあるモノも初めて見て使ってみる人には違うモノに見え感覚も違うんだなというのがよくわかる作品です。

まとめ

『終末世海の少女潜水記 海底清掃人マタタビュリス』のあらすじや登場キャラクター、実際に読んで感じた魅力について紹介してきました。本作は全体的にほのぼのとした空気感で描かれている作品ですが、その中にはふと心へ刺さるセリフや描写があります。読後にじんわり余韻も残ります。終末世海を舞台にしながらも暗すぎず、優しさや温かさを感じられる点が大きな魅力だと思いました。

個人的に印象に残ったのは、やはり主人公の名前”マタタビュリス”です。文字で見るとかっこいいのですが、実際声に出そうとすると舌を噛みそうになります。何度読んでもスムーズに言える気がしません。それでも不思議と耳に残る名前で、”マタタビ”という響きに似ていることから”猫”を連想してしまいます。作中に見せる主人公の自由でしなやかな動きはまさに”猫”だと感じます。

可愛い絵柄と幻想的な海底世界、そして時折胸に響くストーリーが合わさった本作。読めば読むほど、この世界をもっと見てみたくなる魅力があります。続きが自然と読みたくなる、そんな作品でした。

ぜひ、一度手に取ってみてください。

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